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日本皮膚病理組織学会事務局

鳥取大学医学部 脳神経外科
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会長挨拶

   第28回日本老年脳神経外科学会 開催のご挨拶


第28回日本老年脳神経外科学会
会長 渡辺 高志

鳥取大学医学部脳神経外科 教授

平成27年4月17日(金)に米子で開催されます第28回日本老年脳神経外科学会をお世話させていただきます鳥取大学脳神経外科の渡辺です。「高齢者の脳神経外科手術」に関しましては、私が1999年教授になりました時の教授選考セミナーで、これからは高齢者の脳神経外科手術の機会が増え、脳神経外科医にとって大きな問題になりますということを話題にしましたので、思い入れの深い分野です。

当時、日本で最も高齢化が進んだ江津地方に関連病院がありまして、しばしばくも膜下出血の手術手伝いに行っていました。今から20年前ですら既に患者さんの平均年齢は71歳以上(ある3年間)であり、ほとんどは70歳、80歳台でした。70歳~92歳の28例のうち13例はほとんど来院時に死亡、15例を手術しました。grade IV Vでは予後は悪く、ただGOSでGやMDになる例もありました。 grade I II IIIでもDはありましたが、3分の2はGと MDでした。grade Vは手術の適応はないと考えられましたが、grade IV では良くなる症例もあるので、手術をしても良いかと思っていました。

昨今、日本認知症学会、日本老年医学会では、ほとんど寝たきりの患者さんに胃漏を施し、永く延命し医療費を使うことの是非が問われるようになりました。このような流れから、特別講演としまして、国立長寿医療研究センター総長の鳥羽研二先生をお招きして、老年医学の立場から「フレイルの概念と超高齢社会の医療」についてのご講演をお願いたしました。上記しました重症のくも膜下出血患者さんでも、予後良好の患者さんがある一方、寝たきりの患者さんもたくさん出現してしまいます。外来で患者さんと話していますと、ほとんどすべての人が、「他人の世話で生きていくのなら、死んだ方が良い。」と考えています。10人中8~9人が寝たきりか亡くなられると予想された場合、患者さん本人はどう考えるでしょうか。しかし実際は、くも膜下出血の場合、本人の意志に反して、家族の意向を尊重して手術がなされていると思います。

本学会の主題を「高齢者脳外科手術の限界」とさせていただきました。前述しましたように、手術の適応は、年齢的な要素はもちろん生物学的年齢も、また病前の状態にも関わります。さらには患者さん本人の病前の意向も考慮する必要があるでしょうか。今後の高齢者の脳外科手術の適応につきましては、これら2点を十分考慮して決められるべきと考え、「高齢者脳外科手術の限界」とさせていただきました。

「くも膜下出血」「症候性頸部内頸動脈狭窄」「悪性グリオーマ」「無症候性髄膜腫」「正常圧水頭症」の5つの疾患につきまして、「高齢者脳外科手術の限界」というテーマで、シンポジウムを考えました。ぜひ、ご応募ください。同じ土俵で討論するべきでありますので、高齢者の定義をこのシンポジウムでは80歳以上といたします(悪性グリオーマは、70歳以上。正常圧水頭症は、75歳以上)。演題の最後に演者の先生あるいはその施設の考え方をかならず述べてください。

もちろん、一般の演題も広く公募いたします。米子でみなさまと有意義な論議が出来ます事を楽しみにしております。